片山豊 公認心理師
当院に入職して良かったことは?
スタッフが素晴らしいです。ビジネススキルが高くて人柄も良い人ばかりで、気持ちよく働ける職場です。
実は先日、入院して多大なご迷惑をおかけしてしまったのですが、その際に総務スタッフから心のこもったメッセージと、社会保険や復職まで迅速なフォローを頂き、感激しました。
また、現場スタッフからも、入院中に温かい言葉を寄せてもらいました。本当に良い職場だと思います。
カウンセリングの目標は?
患者さんの辛い感情を一緒に抱え続けて、気付いたら辛さが薄れていた、といったようなカウンセリングが目標です。
言い換えるとそれは、患者さんが「これで、まあいいか」と思えようになること、かもしれません。
カウンセリングでは、メンタル不調の治し方や、コミュニケーションのコツや、ネガティブな考え方をゆるめる方法、などをお伝えしています。しかし、それよりも大切なのはもちろん「話をきちんとお聴きすること」です。患者さんが悲しさや辛さや怒りの感情を抑えこんでいるならば、まずは、その辛さをカウンセラーが半分受け持つから一緒に見ていきましょう、と提案します。そして感情を言葉にして明らかにしていきます。
自分の心の中の怒りや悲しみを、ちゃんと認めて言葉にする。そうやって感情を明確にして、そしてその感情を生み出している考えとか、感情に繋がってくる過去の記憶などの「心の中の布置」が明らかになると、次第に患者さんは自分を俯瞰して見るようになります。そうなると自分が向き合っている現実に対しても今までとは違う見方が現れてくるものです。たとえば、憎い相手も何か事情がある可哀そうな人かもしれない、とか、自分の中に怒りや悲しみがあるから今まで頑張って来れたのかもしれない、といったふうに、「これで、まあいいか」と思えるものが見えてきます。
その「これで、まあいいか」というのは諦めとは少し違います。人は自分を否定して変わろうとすると却って変われないものです。今の自分を受け容れて「これで、まあいいか」と思えると、不思議なことに、次第に変われたり、何かを決断できたり、解決策が見えてくることがよくあるのです。
それはカウンセラーが押し付けたものでは駄目ですし、かといって患者さんが独りで見つけるのは難しい。患者さんとカウンセラーがふたりでいろいろなものを抱えつつ、迷ったり、悩んだりしながら、一緒に見つけられたらいいな、と思っています。
その、一緒に考える時の参考資料として、いわば「迷っている時の道しるべ」として、私は理事長のマンガをよく使います。伝えたいことが分かり易く表現されているので、患者さんに見てもらって話し合う材料として活用しています。
ゆうメンタルクリニック心理職の良いところ
自由であると同時に緊張感があり、カウンセリングのスキルを高めていける環境です。
当院には、臨床心理士だけではなく、精神保健福祉士や産業カウンセラーなどの多くのカウンセラーが勤務しています。長年医療に携わっておられる方もいるし、福祉でのカウンセリングやスクールカウンセラーをされている方、私のようなサラリーマンからの転身者など経歴もさまざまです。年齢や流派も多岐に渡っています。これだけ多彩なカウンセラーが在籍している機関は珍しいのではないでしょうか。そして互いを尊重しつつ、事例の相談をしたり意見交換ができる雰囲気があります。もちろん医師に相談もできます。異なるバックボーンを持つ方からのアドバイスは学ぶことが多く、新たな気付きや視野を広げる機会になっています。
また当院ではカウンセリングのやり方を強制されることはありません。それは有難いことではありますが、上からの指示や指導がないということからカウンセリングの成否は全てカウンセラー個人に掛かっている、という緊張感があります。それゆえ自分のカウンセリングの進め方を常に見直して同僚や医師に相談する姿勢が求められます。そういうカウンセラーならばカウンセリングのスキルを高めていける環境だと言えます。